年別アーカイブ:2019年

2019/10/7

『天地麗気記』解説5 忍穂耳尊 瓊瓊杵尊 十種の神宝 祝詞 神歌 呪 真言

はじめての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 『天地麗気記』解説4のつづき 【書き下し文】伊弉諾・伊弉冉二神の尊、左の手に金鏡を持ちて陰(めみか)を生(あれま)す。 右の手に銀鏡を持ちて陽(をかみ)を生(あれま)す。 名を日天子・月天子と曰(もう)す。 是、一切衆生の眼目と坐(なりましま)す。 故に、一切の火気、変じて日と成り、一切の水気、変じて月と成る。 三界を建立するは日月是也。 時に羸都鏡・辺都鏡を以て、国璽尊霊(くにのしるしのみことのみたま)と為して、日神・月神の自ら天宮に送て、六合(あめのした) ...

2019/9/29

『天地麗気記』解説4 大日孁貴 天照皇大神 尸棄大梵天王 光明大梵天王 月読尊(ツキヨミ) 伊勢神宮

はじめての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 『天地麗気記』解説3のつづき 【書き下し文】側(ほのか)に聞く、本在より以降、二界遍照の如来は幽契為(みとのまくはいし)て所産(あれま)す、一女三男あり。 一女は天照皇大神、地神の始の玉(みたま)の霊(みたま)、霊鏡大日孁貴(おおひるめのむち)は、端厳美麗に坐す。 【現代語訳】また聞くところによると、その後、金胎の大日如来である伊弉諾・伊弉冉の二神が交合をして一女三男を産んだ。 一女とは天照皇大神であり、地神の始めの玉霊であり、霊鏡・大日孁貴は、端厳美麗でおら ...

2019/9/27

『天地麗気記』解説3 国常立尊(クニトコタチ) 国狭槌尊(クニサツチ)  豊斟淳尊(トヨクムヌ) 大日如来

はじめての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 『天地麗気記』解説2のつづき 【書き下し文】国狭槌尊〈毘盧遮那仏〉 豊斟淳尊〈盧遮那仏〉 此の二神(ふたはしらのみこと)、天に浮(のほ)り地(くに)に跡(くた)りて、報応の二身、青黒二色の宝珠也。 青色は衆生果報の宝珠、黒色は無明調伏の宝珠なり。 三神神(みはしらのかみいま)す葉木国(はこくに)漂蕩(たたよ)えり。 状貌(かたち)、鶏子(とりのこ)の如し。 【現代語訳】国狭槌尊(クニサツチ)〈毘盧遮那仏〉 豊斟淳尊(トヨクムヌ)〈盧舎那仏〉 この二神は天上に上 ...

2019/9/26

『大和葛城宝山記』5 釈迦牟尼仏 波羅提木叉 天御中主神 天照太神 瓊瓊杵尊 乳海攪拌

はじめての方は『大和葛城宝山記』解説1からどうぞ 『大和葛城宝山記』解説4のつづき 釈迦牟尼仏、初めて菩提樹下に生まれて、無上の正覚を成ず。 初めて菩薩の波羅提木叉を結び、父母師僧三宝に孝順をなし、孝順至道の法の孝を名づけて戒と為す。 亦制止と名づく。 波羅提木叉(はらだいもくしゃ)は、梵語のプラーティモークシャの音訳。 意訳は、戒本、別々解脱、別解脱。 “制止”=戒 即ち口に無量の光明を放てり。 是の時、百億の大衆、諸菩薩、十八梵天、六欲天子、十六大国王、掌を合はせ心を至して、仏の誦する一切仏の大乗戒を ...

2019/9/26

『大和葛城宝山記』解説4 天御中主尊(アメノミナカヌシ) 大梵天王 天照皇大神(アマテラス) 観音菩薩 大日如来

はじめての方は『大和葛城宝山記』解説1からどうぞ 『大和葛城宝山記』解説3のつづき 伝に曰はく 劫初に神聖在り。常住慈悲神王と名づけ〈法語に尸棄大梵天王と曰い、神語に天御中主尊と名づく〉大梵天宮に居る。 衆生等の為に。 広大なる慈悲誠心を以てす。 ここで『大和葛城宝山記』1では違細(ビシュヌ)とされた“神聖”が、梵天(ブラフマー)であり、天御中主尊(アメノミナカヌシ)とされています。 『大和葛城宝山記』1では、違細(ビシュヌ)のヘソの蓮に生じた梵天が天御中主尊(アメノミナカヌシ)を含む八子を生じたとされて ...

2019/11/3

ゾクチェン・トゥカルの法性の顕現と海水浴とアイソレーションタンク ※2019.9.15更新

チベット仏教ニンマ派のゾクチェンという教えに、トゥカルというとても魅力的な瞑想法があります。 このトゥカルという瞑想法は技法としては極めてシンプルなのですが、まったくの無作為、まったくの無思考の状態で視界に様々な顕現が生じるというとてもユニークな瞑想なのです。 トゥカルには階梯があり、段階的に修行が進みます。 瞑想法は数多く存在しますが、世間にはまったく修行が進んでないのに、瞑想の達人になったかのように錯覚してる人が数多く存在します。 しかし、トゥカルは自分の境地に応じて目の前に生じる顕現が異なるので、そ ...

2019/10/7

『天地麗気記』解説2 国常立尊(クニトコタチ)=大毘盧遮那仏(大日如来)

初めての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 【書き下し文】神財の戦具は、十種の玉神鏡神本霊(みたまのみたまのみたまのみことのもとのみたま)、本(はし)めて覚れば、天国(あまくに)の璽(しるし)・地神の印、百宝千宝は百大僧祗劫の劫数にして無量無数劫も変らず常住にして、三種の神物は我が五世の時に余れる置(ことな)し。 是も以て尊重(みこととおも)く為して、相並びて崇敬(あかめうやま)い奉るべき本の御霊(みたま)は金色の如意宝珠、浄菩提心の宝珠と為る。 是、国常立尊(くにとこたちのみこと)の心神(みたまのみたま ...

2019/9/19

『天地麗気記』解説1 神代七代 過去七仏 地神五代 賢劫十六尊 天照大神 大日如来

題名 【書き下し文】 天地麗気記(かみつかたしもつかたうるはしきいきとうりをきす) この巻の題名です。近世の版本などでは、本巻を巻首に置いているので、『天地麗気記』を麗気記全体の総題とすることもあります。 神代七代・過去七仏・北斗七星 【書き下し文】天神七葉は、過去の七仏転じて天の七星と呈(あら)はる。 【現代語訳】天神七代は過去七仏であり、転じて天体の北斗七星として現れた。 “天神七代(かみつかたかけりましますななは)”とは、神代七代(かみのよななよ)と称されます。 『日本書紀』では、最初に為った以下の ...

2019/9/9

『麗気記』の著者について ※2019.9.9更新

『麗気記』は神仏習合の代表的な論書です。 『麗気記』は「れいきき」、あるいは「まことをおほしめさるるき」とも読みます。 著者には諸説あり、聖徳太子説、役行者説、弘法大師・空海説、伝教大師・最澄説、醍醐天皇説があります。 弘法大師・空海説 十八巻からなりますが、巻末の「豊受大神宮継文」は本来『麗気記』とは無関係で江戸時代に添加されました。 この「豊受大神宮継文」に「沙門空海撰」とあったため、『麗気記』全体が弘法大師作と一般に伝えられたようです。 寛文十二年(1672)刊の版本にも「沙門空海撰」とされてます。 ...

2019/9/8

石室神社 石廊崎 役行者 熊野権現

石室神社 石室神社(いろうじんじゃ)は、石廊権現(いろうごんげん)、また石廊崎(いろうざき)にいちするので石廊崎権現とも呼ばれますが、古くは伊波例命神社(いはれのみことじんじゃ)と呼ばれていたそうです。 所在地・静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎 役行者が葛城山の一言主神(ヒトコトヌシ)の讒言によって伊豆大島へ流刑となったとき、毎晩、孔雀明王法によって飛行して富士山で修行していたと伝えられていますが、「石廊山金剛院縁起」によれば、伊豆大島へ流刑の際、十一面施無畏の神力を得てこの地に至ったとされています。 石室神社 ...

2019/9/8

龍宮窟と龍宮社 大海神命(オオワタツミ)

龍宮窟 龍宮窟 所在地・静岡県下田市田牛 龍宮窟(りゅうぐうくつ)は、海の波によって柔らかい地層だけが削られ、洞窟になった海食洞(かいしょくどう)の天井が崩れて、直径40~50メートルほどの穴が空いたことで形成されたそうです。 この龍宮窟を見下ろす遊歩道が整備されてまして、上から見るとハート型になってるということで恋愛関係のパワースポットとして人気だそうです。   龍宮社 この遊歩道の高いところに「龍王社」があります。 龍王社の向かって右の案内看板を見ると 龍王社の下に大海神命(オオワタツミのみ ...

2019/9/5

伊豆の国最古の宮 伊古奈比咩命神社(いこなひめのみことじんじゃ) 伊豆白浜神社 伊豆白濱神社

伊古奈比咩命神社 伊豆最古の宮 伊古奈比咩命神社(いこなひめのみことじんじゃ) 通称・白浜神社(しらはまじんじゃ) 所在地・静岡県下田市白浜2740 白浜神社のHPには、 白浜神社は伊豆半島の先端近くにあり2400年の歴史を持つ伊豆最古の宮として知られています。 御祭神は伊古奈比咩命(いこなひめのみこと)、三嶋大明神(みしまだいみょうじん)、見目(みめ)、若宮(わかみや)、剣の御子(つるぎのみこ)の5柱です。 境内には樹齢2000年の巨木がそびえ、神社裏には白砂の海岸で有名な白浜海岸があります。 とありま ...

2019/9/4

伊豆国一宮・三嶋大社(いずのくにいちのみや・みしまたいしゃ) 大山祇命(オオヤマツミ)

伊豆国一宮・三嶋大社   所在地・静岡県三島市大宮町二丁目1番5号 御祭神 御祭神について、三嶋大社のHPには次のようにあります。 大山祇命[おおやまつみのみこと]、 積羽八重事代主神[つみはやえことしろぬしのかみ]、 御二柱の神を総じて三嶋大明神[みしまだいみょうじん]と称しています。 大山祇命は山森農産の守護神、また事代主神は俗に恵比寿様とも称され、 福徳の神として商・工・漁業者の厚い崇敬をうけます。 大山祇命(オオヤマツミ)は、『古事記』では大山津見神、『日本書紀』では大山祇神、大山積神、 ...

2019/9/4

大室山浅間神社 磐長姫命(イワナガヒメ) 木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ) 五智如来地蔵尊

大室山(おおむろやま)に行って参りました。 静岡県伊東市の標高580mの小さな御山です。 毎年、山焼きされますので、木は生えておらず、山肌がやわらかな草で覆われています。 山焼きは七百年以上前から続けられているそうです。     麓の大きな鳥居の向こう側に、おみやげ物屋さんやうどん屋さんなどとリフト乗り場があります。     リフトに乗って6分ほどで山頂です。 山頂は、富士山のように火口の周りを歩く「御鉢巡り」の参道が整備されています。 大室山・御鉢巡りの参道 五智 ...

2019/8/19

『諸神本懐集』15 宝応声菩薩=観音菩薩、宝吉祥菩薩=勢至菩薩

初めての方は『諸神本懐集』1からどうぞ 『諸神本懐集』14のつづき この二菩薩、ともにあひはかりて、第七の梵天にむかひ、その七宝をとりて、この界に来至、日月星辰、二十八宿をつくりて、天下をてらし、春秋冬夏をさだむ。 ときに、ふたりの菩薩あひかたりていはく、「日月星辰、二十八宿の西へゆくゆへは、一切の諸天人民ことごとく、ともに阿弥陀仏を稽首したてまつるなり。 ここをもて日月星辰みな、ことごとくこころをかたぶけて、かしこにむかふゆへに、にしにながるるなり」といへり。 このなかに、宝応声菩薩といふは、観音すなは ...

2019/8/19

『諸神本懐集』14 賀茂別雷神社と鴨御祖神社・日吉大社・良忍上人の融通念仏・伏義と女媧

初めての方は『諸神本懐集』1からどうぞ 『諸神本懐集』13のつづき   賀茂別雷神社と鴨御祖神社・日吉大社の摂社・宇佐宮 されば賀茂の大明神は、神紙の伯顕重の王の母儀に勅して、念仏の法味をあぢはひ、聖真子の宮は、当社の不断念仏をよみして、一首の和歌をしめしたまひけり。 かの御うたにいわく、 ちはやふる たまのすだれをまきあげて 念仏のこへを きくぞうれしき 当宮は、まさしく弥陀の垂迹にてましませば、名号の功徳を愛楽したまへること、まことにいはれあることなり。 “賀茂の大明神”は、賀茂別雷神社(上 ...

2019/8/19

『諸神本懐集』13 諸仏みな弥陀の分身なりときこへたり

初めての方は『諸神本懐集』1からどうぞ 『諸神本懐集』12のつづき   『般舟経』・『楞伽経』の経文 このほかの仏菩薩、いづれか弥陀をそむきたるや。 西方をすすめざる。 いかにいはんや般舟経には、 「三世の諸仏、みな念弥陀三昧によりて正覚をなる」 と、ときたれば、弥陀は諸仏の本師なりとみへたり。 本師を念じたてまつらば、諸仏の御こころにかなふべし。 『般舟三昧経』(はんじゅざんまいきょう)は、最初期の大乗経典のひとつであり紀元前後に成立したとされています。 般舟三昧(はんじゅざんまい)とは、「現 ...

2019/8/18

『諸神本懐集』12 文殊菩薩・地蔵菩薩・龍樹菩薩と阿弥陀如来

初めての方は『諸神本懐集』1からどうぞ 『諸神本懐集』11のつづき 文殊菩薩 文殊は、極楽の一聖として如来の化儀をたすけ、弥陀経の同聞衆につらなりては、一会の上首たり。 なかんづくに、法照禅師、清涼山の大聖竹林寺にまふでて、未来の衆生はいづれの行によりてか、生死をはなるべきとまふされければ、弥陀の名号をとなへてやむことなかれと、こたえたまひけり。 一心に帰依せんひと、もはらかのおしへにかなふべきものなり。 “法照禅師”=8世紀頃、唐代の念仏行者で、また浄土五祖の第三祖・善導大師(613-681)の転生者と ...

2019/8/16

『諸神本懐集』11 釈迦如来・薬師如来・弥勒菩薩・観音菩薩・勢至菩薩

初めての方は『諸神本懐集』1からどうぞ 『諸神本懐集』10のつづき そもそも、わが朝の神明の本地をたづぬれば、おほくは釈迦・弥陀・薬師・弥勒・観音・勢至・普賢・文殊・地蔵・龍樹等なり。 この諸仏菩薩、ことに弥陀を念ぜよとおしへ、ひとへに西方の往生をすすめたまふ。 垂迹の本意、またひとしかるべければ、いづれの神明かこれをそむきたまはんや。   釈迦如来 まづ釈迦如来は、娑婆の教主、衆生の慈父なり。惣じては一代の諸教に、もはら弥陀を念じて西方にゆけとすすめ、別して三部の妙典に、ただ名号をとなへて往生 ...

2019/8/18

『諸神本懐集』10 熊野権現の本地仏・阿弥陀如来としての御託宣

初めての方は『諸神本懐集』1からどうぞ 『諸神本懐集』9のつづき なかんづくに、聖徳太子二十七歳の御とき、黒駒に乗じて、三日三夜のあひだに、日本国を巡見したまひけるに、熊野にまふでて一夜通夜したまひけるとき、権現と太子とことばをまじへて、たがひに種々のことどもをかたりたまひけるなかに、権現、太子にむかひたてまつりてのたまひけるむねをつたへきくに、ことに仏法に帰して後世をねがはば、かみの御こころにかなふべしとはしらるるなり。 そのおもむきは、 「われ、四十八願荘厳の浄刹をいでて、五濁濫漫穢悪の国土に現ずるこ ...

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