仏教・瞑想 坐禅三昧経

『坐禅三昧経』4 散文 戒律「汝よ、何れの戒を破せるや」

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『坐禅三昧経』3のつづき

食、味処を知るを過(す)ぐれば

美悪、都(すべ)て異なる無し

愛好より憂苦(うく)を生ず

是(ここ)を以て愛を造る莫かれ

業を世界中に行じて

美悪、更(か)わらざるは無し

一切、已(すで)に具(つぶ)さに受く

当に是れを以て自ら抑えるべし

若し蓄獣中に在らば

呞(かみかえ)せる草もて味を具せりと為さん

地獄に鉄丸(てつがん)を呑まば

燃熱、劇(はげ)しくして鉄を迸(ほとばし)らさん

若し薜茘(へいれい)中に在らば

膿(うみ)・吐・火(や)けたる糞屎(ふんし)

涕(はなみず)・唾(つば)・諸もろの不浄

此れを以て上味と為さん

若し天の宮殿に在らば

七宝(しつぽう)の宮観中に

天、蘇陀(そだ)を食して味わい

天女、以て心を娯(たの)しましめん

人中の豪貴の処に

七饌(しちせん)、衆味を備えん

一切の曽(かつ)て更(ふ)るところ

今、復た何を以てか愛さんや

世界中を往返し

苦楽を更(ふ)る事を厭わば

未(いま)だ涅槃を得ずと雖も

当に此の利を懃求(ごんぐ)すべし

ここまでが偈文。以下は散文。

禅を学ぶの人、初めて師の所に至る。

師、応(まさ)に問いて言うべし。

「汝よ、戒を持すること浄なるやいなや。

重罪悪邪に非ざるやいなや。

若し五衆、浄にして、重罪悪邪無くんば、次に道法を教えん」と。

若し戒を破せりと言わば、応に重ねて問いて言うべし。

「汝よ、何れの戒を破せるや」と。

若し重戒と言わば、師、言わく、

「人の耳鼻を截(き)られたるが如く、鏡に照らすを須(もち)いず。

汝よ、且(しばら)く還(ま)た去りて、誦経観化(じゅきょうかんげ)に精懃(しょうごん)して福を作(な)し、後世(ごせ)の道法因縁を種(う)うるべし。

此の生、永(とこしな)えに棄てよ。

誓うるに、枯樹の漑灌(がいかん)を加うると雖(いえど)も、華葉及び其の果実を生ぜざるが如し」と。

若し餘(よ)の戒を破さば、是の時、応に如法の懺悔を教うべし。

若し巳に清浄(しょうじょう)なれば、師、若し天眼(てんげん)・他心智を得(う)れば、即ち為めに病に随(したが)いて道に趣くの法を説かん。

若し未だ通を得ずんば応当(まさ)に相を観ずべし。

『坐禅三昧経』5につづく

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