あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
今年も元旦零時から聖天浴油供を修しました。
昨年末に聖天様の銅鍋を新調したのですが、聖天様にも喜んでいただけたようで、十数年ぶりに鳴かれました。
当山の聖天様が始めに鳴かれたのは、十数年前、足立区の借家で布教所を始めたころでした。
空気が凍りついた真冬の御堂、夜中の修法終わりに御身の油を拭っていたときです。
突然、掌の中で「きゅー、きゅー、きゅー」と聖天様が何度も鳴かれたのです。
ゾッとしました。
空耳や他の音ではなく、御身が振動して鳴かれているのです。
穿った見方をすれば、温度変化による御尊像(銅製)の膨張か収縮なのかもしれませんが、タイミング的にも何らかの意思表示のように思えました。
(温度変化によるとすれば、逆に十数年の間、鳴かなかったのも逆に不思議な気がします)
けれど、それが喜ばれているのか、それともお怒りになられているのかもわからなくて、ただ恐ろしい想いがしました。
当時は数人の人に瞑想を教えていたのですが、次の日、その中の二人に聖天様の話をしました。
二人とも半信半疑の様子でした。
その後しばらくして、その二人とは音信不通になってしまいました。
一人はチベットに修行に行くと手紙をくれ、もう一人は仕事関係の問題で故郷に帰っていきました。
特に熱心な二人だったので、たまに思い出しては、どうしてるのか気になっていました。
それから十年以上たって、昨年末のことです。
運転中、「かっぱ橋で多羅(聖天様を浴油する鍋)を買おう」という想いが心に浮かびました。
すると、そのタイミングで携帯電話が鳴ったのです。
十年以上音信不通だったあの時の一人、故郷に帰った人からの電話でした。
電話くれただけでもうれしかったのですが、今は作家として大成され、活躍されているとのことでした。
ずっと心配していただけにホッとし、懐かしさと喜びが心に生じました。
電話の用件は「聖天様の御札をいただきたい」とのことで、多分、聖天様が再び連絡させてくださったのだと思います。
(同日、その数時間後に、高校時代の後輩から三十年以上振りに連絡がありました。
こちらは聖天様の話題が出なかったので、偶然かもわかりません。
ただ、鳴り物の話が少し出たので、もしかしたら関係あるのかもしれません)
元旦の浴油供で新しい赤銅の多羅(聖天様を浴油する鍋)を用いたところ、十数年ぶりに聖天様が鳴かれました。
元日に続き、二日の浴油でも鳴かれました。
十数年前は喜ばれているのか怒られているのかわかりませんでしたが、今回は喜んでいただけてるのだなと思いました。
本年が皆様にとって良い年でありますように。
合掌