Nepal 遊行記

ネパール スンダリジャルにて 5

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 しとしと、という音の中で、目が覚めた。

 雨の臭いがする。

 目を開いても、闇の中にいることに変わりはなかった。

「夢」の修行をしているときは一晩で十回以上、夢を見る。夢が途切れるたびに目が覚めるので、行中は慢性的な寝不足である。

 つい先ほど見ていた夢を辿っていく。

 夢の中の風景を忠実に再現していく。

 青い海と白い砂浜。

 椰子の木陰。

 小さな仏像。経典。数珠。

 夢の中の私自身。

 私は、夢の中でも昼間行っていた瞑想を行じていた。

 違うのは、カビ臭いコンクリートの部屋か、南の島の白い砂浜かということだった。

 自分と夢の中の自分とをゆっくりと溶け込ませていく。

 真冬の朝、張りつめた空気の中でゆっくりと吐いた白い吐息が、窓ガラスをやわらかく曇らせていくように。

 私は再び、白い砂浜にいた。

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