Nepal

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自己紹介 ネパールで修行するまでの経緯

ネパールでの修行などは、いろいろなところでお話ししてきましたが、なぜ、そこで修行することになったのかという経緯を聞きたいと言われることがあるので書いてみました。 あのとき以来、私は一貫して心の探究に、人生を費やしてきた。なぜならば、あのとき...
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ネパール ポカラからカトマンドゥへ

眼下には、雪をかぶったヒマラヤの山々がそびえていた。 雨期のポカラは灰色の雲に覆われ、ヒマラヤの山々が姿を見せてくれることはなかったが、雲の上に行けば、雨期だろうと関係なかった。 太古の昔から雪を被り続けている山々が、犯しがたい崇高さをもっ...
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ネパール ポカラへ

山々に囲まれた谷間の斜面に削り出された道路上で、バスは長い間、停まったままだった。 車内ではイスラエル人たちが、いつ走り出すのかと騒ぎ続けている。 一時間ほど待たされた後、乗客は全員、降ろされた。 預けていた自分の荷物を渡され、「歩け」とだ...
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ネパール ダクシンカリにて

その日は、谷底に祀られている女神に、生け贄が捧げられる日だった。 神の前にいる聖職者は、実に手際よく、生け贄をさばいていく。 施主から鶏を受け取ると同時に、頭をひねり首をねじ切る。頭を祠の上に投げ置き、胴体から噴き出す血を神像にかける。 胴...
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ネパール カトマンドゥにて2

カトマンドゥは喧噪と汚濁に満ち、いくつもの深刻な問題を抱えていた。 大気汚染もその一つだ。 カトマンドゥを走る車のほとんどが、インドから仕入れた中古車である。 インド国内を走る車もひどいが、さらにその中古である。そのうえネパールで売られてい...
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ネパール スンダリジャルにて 5

しとしと、という音の中で、目が覚めた。 雨の臭いがする。 目を開いても、闇の中にいることに変わりはなかった。「夢」の修行をしているときは一晩で十回以上、夢を見る。夢が途切れるたびに目が覚めるので、行中は慢性的な寝不足である。 つい先ほど見て...
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ネパール スンダリジャルにて 4

蜂が巣を作り始めた。 部屋の窓は開き窓になっており、木窓は外側に、網戸は内側に開くようになっていた。 その間に鉄格子があり、そこに蜂たちが巣を作っているのだった。 蜂の身体は細く、尻がとがっていた。 刺されると妙に痛かった。 蜂は本能により...
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ネパール スンダリジャルにて 3

毎年、ホーリーの日が来ると、絞り出すような泣き声を聞く。 私は立ち上がり、屋上へ歩き出した。 ホーリーはヒンドゥー教の祭りで、この日は何をしても悪業を積まないのだとされている。だから、みんな滅茶苦茶するのだ。 太古の昔、神が定めたとされる身...
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ネパール スンダリジャルにて 2

戸口に立つと、血の臭いがした。 扉を開くと、戸口を塞ぐように、血まみれの自動車が停めてあった。つい先ほど人間をひき殺してきたかのような凄惨な状態だ。 向かいの家の前で、男が山羊を押さえつけている。 子供たちが見守る中、斧が振り下ろされる。 ...
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ネパール スンダリジャルにて 1

その日はなぜか騒がしかった。もしかしたら、何か意味のある日だったのかもしれない。 はす向かいの大家の部屋に、ネパール人が何人も集まって熱心に話し合っていた。 話し声は、私の部屋の中にまで響き渡った。 そんなことは滅多にあることではなかった。...