『観音経』の三十三身とアヴァターラ ヒンドゥー教の三大神 シヴァ ビシュヌ ブラフマー

仏教・瞑想

ヒンドゥー教における最高神とは、

ブラフマー(梵天)、

ビシュヌ(那羅延天)

シヴァ(大自在天)の三神です。

左からブラフマー・ビシュヌ・シヴァ

これらの三神は

トリムルティー(三神一体)であり、

本質的に同一であり、

いずれの神も

ヒンドゥー教の最高神です。

 

本質的に同一ということは

三神は同じものの異なる働き、

それは同じものの

異なる顔という解釈もできます。

 

ですから、

一つの体に

シヴァ、ビシュヌ、ブラフマーの

三面がついた

ダッタトレーヤという三位一体を

端的にしめす尊格があります。

ダッタトレーヤ

この宇宙は

ブラフマーが創造し、

ビシュヌが維持し、

ビシュヌが維持しきれなくなった時

シヴァが破壊し尽くし、再生します。

 

梵天については

「創造神と誤解された梵天」

をご覧ください。

ビシュヌ

ビシュヌ神はいろいろな姿をとって

この世に出現します。

ビシュヌ神のアヴァターラ(化身)

の中でも

ダシャーヴァターラが

特に重要視されます。

ダシャーヴァターラとは次の十大化身です。

1、魚

2、亀

3、猪

4、ナラシンハ

5、小人

6、パラシュ・ラーマ

7、ラーマ

8、クリシュナ

9、仏陀

10、カルキ

ダシャーヴァターラ

ビシュヌ神の10番目の化身カルキは

この濁世(カリユガ)の終わりに降臨し、

悪人を一掃すると言われます。

カルキは、

この世界を破壊しつくし、

再生するシヴァと同一視されることもあります。

 

ヒンドゥー教には

膨大な数の神々がおられますが、

多くはビシュヌの化身か、

シヴァの子として取り入れられ、

女神は、

妻や娘などとして

何らかの形でシヴァ神かビシュヌ神に

関係する形で位置付けられています。

 

観音経には、

衆生の求めにしたがい、

観音菩薩が33の姿をとって

降臨されることが記されています。

『法華経』の第二十五品が『観音経』です。 『観音経』の現代語訳ならこの本をどうぞ

 

観音菩薩の33身の中に

梵王身(ブラフマー神の姿)と

大自在天身(シヴァ神の姿)が

含まれていますが、

なぜかビシュヌ神は含まれていません。

ビシュヌ神が含まれていないのに

ビシュヌ神の乗り物であるガルーダ(迦樓羅)が

含まれていることは、

ビシュヌ神の9番目の化身が釈迦如来であることと

関係があるのかもしれません。

ガルーダに乗るビシュヌ。ガルーダは通常は猛禽類の姿で描かれることが多いのですが、このガルーダは興福寺の迦楼羅天と少し似てますね。

興福寺の迦楼羅天

 

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