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自己紹介 ネパールで修行するまでの経緯

ネパールでの修行などは、いろいろなところでお話ししてきましたが、なぜ、そこで修行することになったのかという経緯を聞きたいと言われることがあるので書いてみました。 あのとき以来、私は一貫して心の探究に、人生を費やしてきた。なぜならば、あのとき...
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タイの洪水 雨安居

※ この記事は2011.10.31に書かれましたタイでは雨安居といって雨季の間、僧侶は寺にこもる。例年だと雨安後が明けると雨季も明ける。今年は、十月十二日に安居が明けたのだが、まだ、雨は降り続いている。数百の寺が水没し、現地におられる日本の...
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タイ パンガン島にて 3

ちくちくという痛みで、目が覚めた。 椰子の間から、真夏の太陽がひどく擦りむけた足を照りつけていた。 強い鎮痛剤で朦朧としたまま、しばらく傷を眺めていた。 すると、午前中の出来事が、うっすらと思い起こされてきた。 私たちは、パンガン島の砂だら...
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タイ ピサヌロークにて

私は髪の毛だけではなく、眉毛も剃り落としていた。 タイの僧侶は皆そうなのだ。 ミヤンマーと戦争を繰り返していた昔、信仰心厚い両国に、たびたび僧形のスパイが送り込まれてきた。 タイやミヤンマーなどの上座部仏教の国では、日本では考えられないほど...
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タイ パンガン島にて 2

その日、私は完全な調和の中にあった。 私は全体であり、全体の中で歩いていた。 海沿いの強烈日射しが、焼けたアスファルトにくっきりと私の輪郭を照らし出している。 海面の小さな波の一つ一つが銀色に輝き、瞬間毎に生滅を繰り返していた。 それがずー...
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タイ アユタヤにて

遠くでカエルが、大声で鳴いている。 耳元では蚊がうなっている。 私は、蒸し暑い蚊帳の中から這い出た。 友人は別の蚊帳の中でいびきをたてている。 この友人が田んぼの真ん中にあるこの実家へと招いてくれたのだった。 数十匹の蚊が私に吸いついている...
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タイ パンガン島にて 1

あたたかい遠浅の海は、どこまで歩いて行っても、ひざより深くならず、やわらかい藻が足にからみついた。「だから、人が来ないんだよ」 バンガローを経営しているおばさんが、砂浜から言った。 人が来なくて波の音がしない海は、瞑想修行に良い。 パンガン...
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タイ バンコクにて

バスは、長い間、停まっていた。 南国の夜のなまぬるい空気が、開け放された窓からぬるりと侵入し、肌にまとわりつく。 乗客がまばらなバスの中にはタイの演歌が控えめな音で流れていた。 テープに合わせて陽気な運転手が、体をくねらせながら歌っている。...
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タイ スコータイ マハタート寺にて

その空間は微細な美に包まれていた。太陽は圧倒的に光り輝き、蓮池に浮かぶ寺院は、そのままの姿を水面に落としていた。蓮が乱れ咲く水面を境に、世界が上下に同じだけの広がりを持っている。あめんぼが創り出す水紋が、世界はぶよぶよとした幻影であることを伝えていた。タイ北部・スコータイにあるマハタート寺。