月別アーカイブ:2020年09月

2020/10/2

『坐禅三昧経』7 是くの如く種種なるは、是れ愚痴の相なり。

はじめての方は『坐禅三昧経』1からどうぞ 『坐禅三昧経』6のつづき 愚痴の人の相は、疑うこと多く、悔やむこと多く、懶堕にして見無し。 自ら満ちて屈し難く、憍慢(きょうまん)にして受け難し。 信ずべきは信ぜず、信に非ざるは而(すなわ)ち信ず。 恭敬(くぎょう)なるを知らずして処処に信向し、師多く、軽躁(きょうそう)にして搪突(とうとつ)を羞ずる無し。 事を作さば慮り無く、教えに反(そむ)きて渾戻(こんれい)す。 友に親しむを択(えら)ばず、自ら修飾せず。 異道を師とするを好み、善悪を別(わ)かたず。 受け難 ...

2020/9/28

『坐禅三昧経』6 是くの如く種種なるは、是れ瞋恚の相なり。

はじめての方は『坐禅三昧経』1からどうぞ 『坐禅三昧経』5のつづき 瞋恚の人の相は、憂悩多く、卒暴に忿(いか)りを懐き、身口麁廣(しんくそこう)にして、能く衆苦を忍び、事に触れて可ならず。 愁(うれ)い多くして歓ぶこと少なく、能く大悪を作して、憐愍の心無く、喜びて闘訟(とうしょう)を為す。 顔貌毀悴(きすい)して、皴眉眄來(しゅうびべんらい)なり。 語り難く悦び難く、事(つか)え難く可とし難し。 其の心、瘡(そう)の如くして、人の義に闕(か)くるを宣(の)べ、論ずること強梁(ごうりょう)にして折伏(しゃく ...

2020/9/28

『坐禅三昧経』5 是くの如く種種なるは、是れ婬欲の相なり

はじめての方は『坐禅三昧経』1からどうぞ 『坐禅三昧経』4のつづき  或いは復た之れを問わん。 「三毒の中、何れの者、偏重せるや。 婬欲、多きや。 瞋恚、多きや。 愚痴、多きや。 云何(いかん)が相を観ずるや。 若し婬すること多き相ならば、為人(ひととなり)、軽便(きょうびん)にして、妻妾(さいしょう)を蓄(たくわ)うること多く、語ること多く、信ずること多く、顔色和悦にして、言語便易なり。 瞋恨(しんこん)少なく、亦た憂愁少なし。 技術を能くすること多く、聞くを好みて多識なり。 文頌(もんじゅ)に愛著(あ ...

2020/9/28

『坐禅三昧経』4 散文 戒律「汝よ、何れの戒を破せるや」

はじめての方は『坐禅三昧経』1からどうぞ 『坐禅三昧経』3のつづき 食、味処を知るを過(す)ぐれば 美悪、都(すべ)て異なる無し 愛好より憂苦(うく)を生ず 是(ここ)を以て愛を造る莫かれ 業を世界中に行じて 美悪、更(か)わらざるは無し 一切、已(すで)に具(つぶ)さに受く 当に是れを以て自ら抑えるべし 若し蓄獣中に在らば 呞(かみかえ)せる草もて味を具せりと為さん 地獄に鉄丸(てつがん)を呑まば 燃熱、劇(はげ)しくして鉄を迸(ほとばし)らさん 若し薜茘(へいれい)中に在らば 膿(うみ)・吐・火(や) ...

2020/9/28

『坐禅三昧経』3 一心にして常に道を行ざば 久しからずして涅槃を得ん 

はじめての方は『坐禅三昧経』1からどうぞ 『坐禅三昧経』2のつづき 誰れか能(よ)く死する時を知らんや 趣くところは何れの道よりせんや 譬(たと)うるに、風中の燈(ともしび)の如く 滅する時節を知らず 道法に至ること、難(かた)からず 大聖、指事して説く 智及び智処を説き 此の二、外に仮らず 汝、若し法逸せず 一心にして常に道を行ざば 久しからずして涅槃を得ん 第一の常楽の処なり 利智にして善人に親しみ 心を尽くして仏法を敬い 穢(けが)れたる不浄の身を厭(いと)い 苦より離れて解脱を得(う) 閑静にして ...

2020/9/25

『坐禅三昧経』2 四念止(四念処)を捨つれば、心に悪の造らざるは無し

はじめての方は『坐禅三昧経』1からどうぞ 痴倒黒暝(ちとうこくみょう)を破し 炬(こ)を執りて以て明らかに観ぜよ 若(も)し四念止(しねんし)を捨つれば 心に悪の造らざるは無し 四念止=四念住、四念処 四念処は、身念処・受念処・心念処・法念処からなる。 身念処=身は不浄なり 受念処=受は苦なり 心念処=心は無常なり 法念処=法は無我なり 象の逸すれば鉤(かぎ)かくること無きが如く 終(つ)いに道に順調せず 今日、此の業を営まば 明日、彼の事を造らしむ 著するをたのしみて苦を観ぜよ 死の賊の至るを覚らず 怱 ...

2021/1/3

『坐禅三昧経』1 鳩摩羅什訳 鳩摩羅什について

『坐禅三昧経(ざぜんさんまいきょう)』巻上 姚秦三蔵鳩摩羅什訳 鳩摩羅什(344年 - 413年 or 350年 - 409年) 鳩摩羅什(くまらじゅう)は梵語クマーラジーヴァの音訳。 鳩摩羅什は約300巻を翻訳した最初の三蔵法師。 玄奘、真諦、不空金剛とともに四大訳経家と呼ばれる。 漢訳『法華経』は三種伝えられているが、 『正法華経』10巻26品(竺法護訳 286年) 『妙法蓮華経』8巻28品(鳩摩羅什訳 400年) 『添品妙法蓮華経』7巻27品(闍那崛多・達磨笈多共訳 601年) このうち鳩摩羅什訳が ...

2020/9/18

『無畏三蔵禅要』11 四の陀羅尼 経行の法則 雑学を以て心を惑はして、一生をして空しく過さしむることなかれ

はじめての方は『無畏三蔵禅要』1からどうぞ 『無畏三蔵禅要』10のつづき 汝等行人初め修定を學せば、応さに過去の諸佛秘密方便加持修定の法を行すべし。 一体にして一切の総持門と相応す、是の故に応さに須らく此の四の陀羅尼を受くべし。 陀羅尼に曰く。 唵速乞叉摩嚩曰囉(おんそきしまばざら) この陀羅尼は能く所観をして成就せしむ。 唵底瑟吒嚩曰囉(おんちしゅつたばざら) この陀羅尼は能く所観をして失なからしむ。 唵婆頗囉嚩曰囉(おんそはらばざら) この陀羅尼は能く所観をして漸く廣ならしむ。 唵僧賀囉嚩曰囉(おんそ ...

2020/9/17

『無畏三蔵禅要』10「五種の心義」行者の仏心を成するに五種の楷段あるなり

はじめての方は『無畏三蔵禅要』1からどうぞ 『無畏三蔵禅要』9のつづき 一切の妄想貧瞋痴等の一切の煩悩、断除を仮らずして自然に起らず、性常に清浄なり。 此れに依りて修習して乃し成佛に至れ、唯是れ一道にして更らに別の理なし。 此は是れ諸佛菩薩内證の道なり。 諸の二乗外道の境界にあらず。 是の観を作し已ぬれば、一切の佛法恒沙の功徳地に由らずして悟る。 一を以て之を貫して自然に通達す。 能く一字を開て無量の法を演説し、刹那に諸法の中に悟入して自在無礙なり。 去来起滅なく一切平等なり。 此を行して漸く至らば、昇進 ...

2020/9/11

水子供養のマンガ

ホームページ用に水子供養のことをマンガにしてみました。     水子供養で来られる方の中には、叱られるんじゃないかと思っている人もおられますが、そんなことはありませんので、安心してお参りしていただければと思って描きました。 ※ 画像を拡大してみたのですが、解像度が低くなって文字が読めるようにならないので、画像をクリックするとHPにとぶようにしました。

2020/9/10

マレーシア ペナン

※10分くらいのラジオの音声を文字起こししたものです。 はい、こんにちは、天照寺です。 今回は第一回目となります。 一回目なので少し自己紹介させていただきます。 私は今40代で真言宗のお寺の住職をさせていただいておりますけど、20代のころは、ネパールで七年ほどチベット仏教の瞑想修行をしておりました。 ヒマラヤの登山口にあたるスンダリジャルという小さな村でして、そこにチベット仏教の小さなお寺がありました。 今はだいぶ大きくなってますけど、私がいた頃は本当に小さな素朴なお寺でした。 その前はタイのお寺で出家し ...

2020/9/10

『ヨーガ大全』のヴァーストゥ・プルシャ カンリトゥカル エローラ

※音声の文字起こしなので話し口調になってます はい、こんにちは、天照寺です。 昨日、本をとばし読みしてたら、 チベットのカンリトゥカルで聞いたこととか、インドのエローラ遺跡で思ったことを思い出したので、今日はその話をしたいと思います。 私は本をよく買うんですけど、買った本を全部、読んだわけではなくて、 読んでない本が結構たまってるんですね なぜ、まだ読んでないのに次の本を買うんだという人がいますけど、 仏教書とか学術書のたぐいは再版されないことが多いので、今すぐに、読みたい本ということでなくても、発売され ...

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