『坐禅三昧経』2 四念止(四念処)を捨つれば、心に悪の造らざるは無し

仏教・瞑想

はじめての方は『坐禅三昧経』1からどうぞ

痴倒黒暝(ちとうこくみょう)を破し

炬(こ)を執りて以て明らかに観ぜよ

若(も)し四念止(しねんし)を捨つれば

心に悪の造らざるは無し

四念止=四念住、四念処

四念処は、身念処・受念処・心念処・法念処からなる。

身念処=身は不浄なり

受念処=受は苦なり

心念処=心は無常なり

法念処=法は無我なり

象の逸すれば鉤(かぎ)かくること無きが如く

終(つ)いに道に順調せず
今日、此の業を営まば

明日、彼の事を造らしむ

著するをたのしみて苦を観ぜよ

死の賊の至るを覚らず

怱怱(そうそう)として己(おの)が務めを為し

他事も亦た閑(いとま)あらず

死の賊、時を待たず

至らば則ち縁を脱する無し

鹿の渇して泉に赴くが如く

已(すで)にして飲むに方(まさ)に水に向かうも

猟師、慈恵無く

飲むを聴(ゆる)さずして竟(つ)いに殺す

痴人も亦た是くの如く

諸もろの事務を懃修(ごんしゅ)せるも

死、至らば時を待たず

誰れか当に汝の為めに護らんや

人心、富貴を期し

五欲の情、未だ満たず

諸もろの大国の王輩

此の患(わずら)いを免るるを得る無し

仙人、呪箭(じゅせん)を持するも

亦た死生を免れず

無常の大象の蹈むこと

蟻蛭(ぎとう)、地と同じなり

且(しばら)く一切の人を置くも

諸仏の正真の覚

生死の流を越度し 亦復(ま)た常在せず

是の故を以て当(まさ)に知るべし

汝の愛楽(あいぎょう)すべきところ

悉(ことごと)く応(まさ)に早(つと)に捨離し

一心に涅槃を求むべきことを

後(の)ちに捨身して死する時

誰(た)れか当に我を證知すべけんや

復(ま)た法宝(ほうぼう)に遇うを得るものも

及以(およ)び遇わざる者も

久久として仏日出(い)づれば

大無明の暝(くら)きを破し

以て諸もろの光明を放ち

人に道と非道とを示さん

我れ、何(いず)れの所より来たり

何れの処よりして生じ

何れの処に解脱を得るや

此の疑、誰れか当に明らかにすべけんや

仏聖(ぶっしょう)の一切智

久しく違(たが)うも乃(すなわ)ち出世すれば

一心にして放逸(ほういつ)する莫(な)く

能く汝の疑結を破す

彼れ、実利を楽しまずして

弊悪の心に好著せるも

汝、衆生の長と為(な)りて

当に実なる法相(ほっそう)を求むべし

『坐禅三昧経』3につづく

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