神仏・祖師

2021/5/13

敦煌菩薩と『鹿母経』 竺法護『盂蘭盆経』

盂蘭盆会(うらぼんえ)の典拠(てんきょ)とされる『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』は敦煌菩薩(とんこうぼさつ)とも月氏菩薩(げっしぼさつ)とも尊称(そんしょう)された竺法護(じくほうご 239年 - 316年)の訳です。敦煌は地名、月氏は敦煌を含む東アジアから中央アジアにいた遊牧民の氏族(しぞく)です。 竺法護は敦煌で生まれ、8歳で出家し、竺高座(じくこうざ)について学んだので「竺」姓を名乗るようになりました。そのころの中国に伝えられていた大乗経典は数少なかったので、竺法護は師とともに大乗経典を求めて西域三十 ...

2019/6/20

明恵上人がすごい! 明恵上人の生涯1 誕生~文覚上人~人柄

明恵(みょうえ)上人(1173-1232)は、 華厳宗中興の祖。法諱は高弁(こうべん)。 栂尾(とがのお)上人。 誕生 明恵上人の父は平家の武士でした。 良い子が欲しいと 京都嵐山の法輪寺に祈願されました。 すると夢に一人の童子があらわれ、 「汝が請う所の子を与へん」と告げて 針で右耳を刺されました。 明恵上人の母は 六角堂の如意輪観音に参詣し、 『観音経』を読経しながら お堂の周囲を一万遍めぐりました。 祈願した後、お堂の前ですわったまま 眠ってしまい夢を見ました。 母は、 夢の中である人から金柑を一つ ...

2019/6/16

ヒンドゥー教の三大神を生み出した観音菩薩

「『観音経』の三十三身とアヴァターラ」 で記したように、ヒンドゥー教では、 この宇宙は ブラフマー(梵天)により創造され、 ビシュヌ(那羅延天)が維持し、 ビシュヌが維持しきれなくなった時 シヴァが破壊し尽くし、 再生すると説かれます。 これを時間に置き換えると、 ブラフマーは過去、 ビシュヌは現在、 シヴァは未来ということになります。 現代のインドでの信仰としては、 梵天は過去の神として敬われてはいるけど、 熱烈な信者はごく少数だそうです。 また、カーストの高い富裕層は この秩序を維持し続けてほしいと ...

2019/6/10

『観音経』の三十三身とアヴァターラ ヒンドゥー教の三大神 シヴァ ビシュヌ ブラフマー

ヒンドゥー教における最高神とは、 ブラフマー(梵天)、 ビシュヌ(那羅延天) シヴァ(大自在天)の三神です。 左からブラフマー・ビシュヌ・シヴァ これらの三神は トリムルティー(三神一体)であり、 本質的に同一であり、 いずれの神も ヒンドゥー教の最高神です。   本質的に同一ということは 三神は同じものの異なる働き、 それは同じものの 異なる顔という解釈もできます。   ですから、 一つの体に シヴァ、ビシュヌ、ブラフマーの 三面がついた ダッタトレーヤという三位一体を 端的にしめす ...

2019/6/8

創造神だと誤解された梵天

この大宇宙は 何らかの 人格を持った存在によって 意図的に作られた ものではありません。   宇宙それ自身の潜勢力によって 形成された のです。 その潜勢力のことを 仏教用語で 業=カルマといいます。 ではなぜ ヒンドゥー教では、 梵天が 世界を創った ことになっている のでしょうか?   正量部の伝承によれば、 大梵天は 世界で一番 最初に生まれました。 それ故、 後から生まれた者たちに 創造神として 誤解されたのです。 大梵天は誤解されたまま、 梵天界に 大梵天王として 君臨しまし ...

2019/6/8

瞑想によって体験される梵天の境地

ヒンドゥー教では、 梵天が世界を創造したとされてます。 また、世界を作り上げた梵天は この宇宙の根本原質であるといいます。   その根本原質を 「ブラフマン(梵)」といい、 また、 個々の本質を「アートマン(我)」 といいます。 アートマンは本来、 ブラフマンと同一のもの(梵我一如)なので 瞑想修行によって 梵と我を合一させること(神人合一) を実現すると 解脱できると説かれます。   しかし、 この境地は欲界からの解脱ではあっても 輪廻世界からの解脱ではありません。 瞑想のレベルでい ...

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