マレーシア ペナン
※10分くらいのラジオの音声を文字起こししたものです。 はい、こんにちは、天照寺です。 今回は第一回目となります。 一回目なので少し自己紹介させていただきます。 私は今40代で真言宗のお寺の住職をさせていただいておりますけど、20代のころは...
自己紹介 ネパールで修行するまでの経緯
ネパールでの修行などは、いろいろなところでお話ししてきましたが、なぜ、そこで修行することになったのかという経緯を聞きたいと言われることがあるので書いてみました。 あのとき以来、私は一貫して心の探究に、人生を費やしてきた。なぜならば、あのと...
タイの洪水 雨安居
※ この記事は2011.10.31に書かれました タイでは雨安居といって雨季の間、僧侶は寺にこもる。 例年だと雨安後が明けると雨季も明ける。 今年は、十月十二日に安居が明けたのだが、 まだ、雨は降り続いている。 数百の寺が水没し、現地におら...
夏の神様 坂東三十三観音巡礼
昨日は先達で阪東三十三観音霊場の 29番「海上山 千葉寺」, 31番「大悲山 笠森寺(笠森観音)」, 32番「音羽山 清水寺(清水観音)」に行って参りました。 今回、「夏の神様」をはじめて見つけました。 このコースは五回くらい同行させていた...
鎌倉のロンポー・トー
先日、鎌倉に行ってきました。 何度、拝しても青空を背にされる大仏さまは壮観です。 今回、大仏さまの後ろの塀の後ろに行ってみました。 そこの灯篭の中を覗いてみると・・・! なんと! 知る人ぞ知るタイの高僧・ロンポー・トーがおられました! 小銭...
神泉苑 弘法大師・空海と善女竜王
※ この記事は2010.5.5に書かれました ここ数年、5月3日の神泉苑祭の大般若会にお呼びいただいており、 今年(2010)も出仕させていただきました。 弘法大師・空海は824年、天皇陛下からの勅命で、 この神泉苑の池畔にて雨乞いの祈祷を...
ケツンサンポ・リンポチェが日本に建立された塔
信州善光寺の裏山に私の根本ラマであるケツンサンポ・リンポチェが 多田等観師らと共に昭和39年に建立された宝篋印塔を参拝してきました。 塔に刻まれた「ケツン・サンポ」というお名前を見たとき、 リンポチェのお墓に参ったような気になってしまい涙が...
インド デリーにて
「日本人、コレ買ウ、コレ」 タイガーバームと万能ナイフを入れた箱を片手に、目つきの鋭い男が必要以上に近づいてきた。 いらないよ。 「高クナイ。買ウ、コレ?」 いらないよ。 男は急に小声になって言った。 「ちゃらーす買ウ?ちゃらーす?...
インド ヴァラナシにて 5
数ヶ月かけて南インドとスリランカを一周した後、私は再びヴァラナシへ戻ってきた。 牛と人とゴミだらけの町。 ところどころ牛糞が放置されている路地を宿へ向かう。 宿のオヤジは私の顔を見ると目を見開いて見せた。 「元気?ネパールはどうだった...
インド エローラにて
自らの豊満な胸をわしづかみにする恍惚の女神。 胸と、両手と、顔が崩れ落ちた彫像を前に私はそのような女神をみた。 カイラーサナータ寺院の入り口に浮き彫りにされたその女神は、この黒い寺院の思想を強く訴えている。 女神は蓮の花の上で蓮華座を...
インド クイロンにて
南インドを流れる水路を、船はゆっくりと進んでいく。 ところどころには木々が途切れた場所があり、民家や学校があった。 船を見ると、子供たちは手を振った。 「ワーオ!」 近くにいたアメリカ人のヒッピーが大袈裟に感動してみせた。 おだやか...
インド バルカラにて
水平線が視界いっぱいに伸びていた。 断崖絶壁の上から見渡す海は、どこまでも碧かった。 私は崖の上を北へ歩いていた。 店や屋台がなくなり、ヤシが林立する斜面を降りてゆく。 遠くから、男たちのかけ声が聞こえる。 ヤシ林の向こうに、白い...
インド カーニャクマリにて
真っ黒で、ごてごてした体にぎょろりとした白目。南インドの寺院に祀られた神像の中で印象に残った神は、ほとんどが真っ黒だった。 インドの宗教画に描かれる写実的な神々とはまったく違う、限りなく抽象的で原始的な神々。 像によっては真っ赤な舌を出...
インド ポンディシュリーにて 2
インドが植民地だった昔、ポルトガル人が造った街、ポンディシュリー。 この街はインドらしくなかった。 街の中心に公園があって、そこから放射状に道路が延びている。円形の道に囲まれた円形の街だ 私は一旦、円の中に入り、中心へと向かった。 ...
インド ポンディシュリーにて 1
ごつごつした大きな岩に波の塊が激しく砕け散った。岩はビクともしないが、波は繰り返しぶつかっていく。 飛び散る波しぶきが、時折コーヒーカップの中にまで飛んでくる。 カフェは、大きな黒い岩がごろごろと転がる波打ち際に一軒だけ、ぽつんと建って...
インド マハーバリプラムにて 2
海岸寺院のすぐ横の地面に彫られたヨーニ(女神の女陰)を覗いた瞬間、この小さな寺院が巨大な隠喩の集合体に違いないと直感された。 ヨーニの直径は一メートル半位、深さは八十センチ位ある。 この内側にさらに小さなヨーニとリンガ(シヴァ神としての...
インド マハーバリプラムにて 1
私は南インドを放浪している間、たびたび人気のない砂浜で瞑想した。 波の音は不規則なので海辺は瞑想に向かないと言う人がいるが、しばらく座っていれば波の音などまったく気にならなくなる。 むしろ、日本の行者は役行者や弘法大師の昔から、渓流や海...
インド カルカッタにて 2
カルカッタの博物館は、死と退廃に満ちていた。 大量の虫の標本は、劣悪な保存状態のため変色し、薄い羽が破れ落ちたりしている。標本と言うよりも、ガラスケースに虫の死骸を並べたといったほうがふさわしい。 インドでは、日本よりも命が格段に軽く扱...
インド カルカッタにて 1
私はその日、マザーテレサが設立された「死を待つ人の家」にいた。 リーダーが、今朝集まったボランティアたちに仕事を振り分ける。 リーダーはドイツ人だったが、ドイツ人はリーダー一人だった。 十六人いたボランティアの半分は日本人だ。 私は...
インド 霊鷲山にて
霊鷲山は小さな山だった。 岩石が屹立した山頂部分が鷲に似ているから、霊鷲山といわれたとも、鷲がたくさんいた山だから、そう呼ばれたともいわれている。 灌木がとりまく、岩がごつごつと剥き出した乾いた道を、私は歩いていた。 小さな洞窟が、参...