『無畏三蔵禅要』5 十重戒門 無畏三蔵禅要の菩薩戒

仏教・瞑想


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『無畏三蔵禅要』4のつづき

第十一十重戒門

諸仏子、菩薩戒を受持すべし。
謂ゆる十重戒とは今当さに宣説すべし、至心に諦らかに聴け。

一には菩提心を退くべからず、成仏を妨ぐるが故に。

二には三宝を捨て外道に帰依すべからず、是れ邪法なるが故に。

三には三宝及び三乗の経典を毀謗すべからず、仏性に背くが故に。

四には甚深の大乗経典の通解せざる處に於て疑惑を生ずべからず、凡夫の境にあらざるが故に。

五には若し衆生ありて巳に菩提心を発さんには、是の如くの法を説て菩提心を退し、二乗に趣向せしむべからず、三宝の種を断ずるが故に。

六には未だ菩提心を発さざるものには、亦是の如くの法を説て、彼れをして二乗の心を発さしむべからず、本願に違するが故に。

七には小乗の人及び邪見の人の前に対して、輙く深妙の大乗を説くべからず。
恐らくは彼れ謗を生じて大殃を獲べきが故に。

八には諸の邪見等の法を発起すべからず、善根を断たしむるが故に。

九には外道の前に於て、自ら我れ無上菩提の妙戒を具せりと説くべからず。
彼をして瞋恨の心を以て是の如き物を求めんに、弁得すること能はずんば、菩提心を退せしめて、二り俱に損あるが故に。

十には但だ一切衆生に於て、損害する所あると、及び利益無からんをば、皆自ら作し、及び人を数えて作さしめ、作すを見て随喜すべからず。
利他の法及び慈悲心に於て相違背するが故に。

巳上是れ菩提戒を授け竟んぬ。

汝等応に是の如く清浄に受持すべし、虧犯せしむること勿れ。

巳に三聚浄戒を受け竟んぬ。

『無畏三蔵禅要』6につづく

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