伊豆国一宮・三嶋大社(いずのくにいちのみや・みしまたいしゃ) 大山祇命(オオヤマツミ)

神仏

伊豆国一宮・三嶋大社

 

所在地・静岡県三島市大宮町二丁目1番5号

御祭神

御祭神について、三嶋大社のHPには次のようにあります。

大山祇命[おおやまつみのみこと]、
積羽八重事代主神[つみはやえことしろぬしのかみ]、
御二柱の神を総じて三嶋大明神[みしまだいみょうじん]と称しています。
大山祇命は山森農産の守護神、また事代主神は俗に恵比寿様とも称され、
福徳の神として商・工・漁業者の厚い崇敬をうけます。

大山祇命(オオヤマツミ)は、『古事記』では大山津見神、『日本書紀』では大山祇神、大山積神、大山罪神と記されます。

神名の「オオヤマ」は「大いなる山」、「ツ」は「の」、「ミ」は「神」、したがって「オオヤマツミ」とは「大いなる山の神」という神名です。

大山祇命(オオヤマツミ)は、天孫・邇邇芸命(ニニギ)の后神・木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)と、その姉神・磐長姫命(イワナガヒメ)の父神です。
木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)は富士山浅間神社の主祭神ですし、磐長姫命(イワナガヒメ)は富士山の五合目に鎮座する冨士山小御嶽神社(ふじさんこみたけじんじゃ)や大室山浅間神社の主祭神であり、共に山の女神といえます。

また、素盞烏尊(スサノオ)の后神・櫛名田比売(クシナダヒメ)は大山祇命(オオヤマツミ)の孫神です。

『諸神本懐集』には、“三嶋の大明神は十二願王医王善逝なり”とあり、本地仏が薬師如来とされています。

真名本『曾我物語』巻第七には、“人王五十三代淳和天王の御時、天長六年(己酉)の年、七月八日の夜半ばかりに、信濃の国水内の郡中条の郷竹葉の村の上人法泉沙門と云人に託宣して、我はこれ伊豆の国の鎮守三嶋大明神これなり。 本地は薬師なり”と、三嶋大神が御自ら「本地は薬師なり」と託宣されたと記されています。

 

境内

大鳥居

神池・厳島神社

大鳥居から境内に進むと、左手に神池があります。

三嶋大社・神池の厳島神社

厳島神社
祭神 市杵島姫命
北條政子が勧請し殊の外
信仰したと伝えられる
当社は家門繁栄・商売繁盛・
安産・裁縫等の守護神として
広く信仰されている

総門

さらに進むと総門があります。

三嶋大社・総門

神馬舎

さらに進むと神門がありますが、神門の手前、右手に神馬舎(しんめしゃ)があります。

三嶋大社・神馬舎


“神馬は毎朝神様を乗せて箱根山に登ると言う伝説があり”とありますが、現在は生きた馬ではなく、神馬の像が安置されてます。

神馬

神門

神門

西五社と見目神社

神門を進むと、正面に舞殿(ぶでん)、

左に、西五社(船寄社・飯神社・酒神社・第二社・小楠社)と見目神社(みるめじんじゃ)

西五社(船寄社・飯神社・酒神社・第二社・小楠社)

見目神社

見目神社の高札に、“若宮と同じく御本社と最も関係の深い社で摂社と言う 御祭神は三嶋大神の后神六社を祀る”とあります。

后神六社とは見目六柱とも呼ばれ、波布比売命(ハフヒメのみこと)、久爾都比咩命(クニツヒメのみこと)、伊賀牟比咩命(イカムヒメのみこと)、佐伎多麻比咩命(サキタマヒメのみこと)、伊波乃比咩命(イハノヒメのみこと)、優波夷命(ウハイのみこと)です。

見目六柱は伊豆諸島に祀られており、波布比売命(ハフヒメ)は波布比咩命神社(大島)、久爾都比咩命(クニツヒメ)は泊神社(新島村式根島)、伊賀牟比咩命(イカムヒメ)は后神社(三宅島)、佐伎多麻比咩命(サキタマヒメ)は御笏神社(三宅島)、伊波乃比咩命(イハノヒメ)は二宮神社(三宅島)、優波夷命(ウハイ)は・優婆夷宝明神社(沖ノ島(八丈島))に鎮座しています。

真名本『曾我物語』巻第七によれば、

南無帰命頂礼、当社明神と申すは、神威掲焉、天地感動して神火大海を焼きしより以来、人王四十代天武天王の御宇、朱鳥元年(乙酉)の年、始めて伊豆国の鎮守と顕れ給ふ。 その時より以還、代々の帝も崇敬し奉り給ふ。 その後人王五十三代淳和天王の御時、天長六年(己酉)の年、七月八日の夜半ばかりに、信濃の国水内の郡中条の郷竹葉の村の上人法泉沙門と云人に託宣して、我はこれ伊豆の国の鎮守三嶋大明神これなり。 本地は薬師なり。 后妃は十一面の観音なり。 王子はまた本地地蔵尊これなり。 今は伊豆の国賀茂の郡河津の里に立てり。
およそ三嶋の大明神の部類眷属委しく申せば、大明神の御本地は大通智勝仏なり。

上に、“ 后妃は十一面の観音なり”とありますが、同じ真名本『曾我物語』巻第七に

飯の王子と申すはまた毘沙門天王これなり。 酒の王子はこれ大聖不動明王なり。 十六王子・六所の客の宮・船寄・高佐江・見目の御前・荒脛巻、皆これ大日如来の化身なり。 大楠・小楠またこれ観音・地蔵の化身なり。 惣じて福島の石に至るまで善悪の我らを捨て給はざる垂跡なり。

“十六王子・六所の客の宮・船寄・高佐江・見目の御前・荒脛巻、皆これ大日如来の化身なり”ともあり、見目神社の本地は十一面観音ではなく、大日如来とされています。
これは、見目六柱ではない后神、すなわち正后・阿波咩命(阿波命神社・神津島)か、あるいは後后・伊古奈比咩命(伊古奈比咩命神社・下田市白浜)のことと思われます。

若宮神社

若宮神社

高札に次のようにあります。

若宮神社
古くは八幡宮・若宮八幡宮
又は若宮社等と呼ばれた
御祭神は物忌奈乃命(三嶋大神の御子神)
誉田別命(応神天皇)・神功皇后・妃大神を祀る社である
例祭は八月十五日で御本社大祭の前日に行われる
慶応四年八月二十日再建

八幡大菩薩(誉田別命・神功皇后・妃大神)と三嶋大神の御子神の物忌奈乃命(モノイミナのみこと)が合祀されています。

 

東五社

神門から入って舞殿に向かって右手にお守りや御札の授与所と東五社(大楠社・天神社・聖神社・第三社・幸神社)が並んでいます。

 

御殿

 

旧石柱

大鳥居から入って右手にあります。

 

源頼朝 旗挙げの碑

大鳥居から入って右手にあります。

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