麗気記

『麗気記』は神仏習合の代表的な論書。

全十八巻。巻名は「二所太神宮麗気記」、「降臨次第麗気記」、「神天上地下次第」、「天地麗気記」、「天照皇太神宮鎮座次第」、「豊受太神宮鎮座次第」、「心柱麗気記」、「神梵語麗気記」、「万鏡霊瑞器麗気記」、「神号麗気記」、「神形注麗気記」、「三界表麗気記」、「現図麗気記」、「仏法神道麗気記」、「神体図麗気記」四巻

 

2019/12/21

『天地麗気記』書き下し文+現代語訳+解説 まとめ

題名 【書き下し文】 天地麗気記(かみつかたしもつかたうるはしきいきとうりをきす) この巻の題名です。近世の版本などでは、本巻を巻首に置いているので、『天地麗気記』を麗気記全体の総題とすることもあります。 神代七代・過去七仏・北斗七星 【書き下し文】天神七葉は、過去の七仏転じて天の七星と呈(あら)はる。 【現代語訳】天神七代は過去七仏であり、転じて天体の北斗七星として現れた。 “天神七代(かみつかたかけりましますななは)”とは、神代七代(かみのよななよ)と称されます。 『日本書紀』では、最初に為った以下の ...

2019/10/13

『天地麗気記』解説7 神武天皇 神日本磐余彦天皇(かむやまといわれびこのすめらみこと)

はじめての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 『天地麗気記』解説6のつづき 【書き下し文】 日本磐余彦天皇(やまといはよひこすへらみこと) 彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊の第四子也。 母(いろは)は玉依姫と日ふ。 海童(わたつみ)の大女(おほむすめ)也。 日本の人皇の始、天照太神五代の孫(みまこ)也。 庚午の歳誕生(みあれ)ますと云々。 【現代語訳】日本磬余彦天皇(やまとイワレビコのすめらみこと) 彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊(ウガヤフキアエズ)の第四子。 母は海童の長女・玉依姫と言う。 日本の人皇の始めで、天照大神か ...

2019/10/13

『天地麗気記』解説6 天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅

はじめての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 『天地麗気記』解説5のつづき 【書き下し文】天照皇大神、宝鏡を持して祝(ほ)ぎて宣(のたま)はく。 「吾児、此の宝鏡を視(みそな)はしめて、当猶視吾(わかかたしろとて)、与(とも)に床(ゆか)を同じく殿(みあらか)に共(なら )べて、以て、斎鏡と為(たてまつ)るべし。宝祚(あまのひつき)の隆(さか)へしほど、当(まさ)に天壌窮無(あめつちきはまることな)く与(しら)すべし。」 【現代語訳】天照皇大神が、宝鏡を持って言祝(ことほ)いで言われた。 「吾が児よ、この ...

2019/10/7

『天地麗気記』解説5 忍穂耳尊 瓊瓊杵尊 十種の神宝 祝詞 神歌 呪 真言

はじめての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 『天地麗気記』解説4のつづき 【書き下し文】伊弉諾・伊弉冉二神の尊、左の手に金鏡を持ちて陰(めみか)を生(あれま)す。 右の手に銀鏡を持ちて陽(をかみ)を生(あれま)す。 名を日天子・月天子と曰(もう)す。 是、一切衆生の眼目と坐(なりましま)す。 故に、一切の火気、変じて日と成り、一切の水気、変じて月と成る。 三界を建立するは日月是也。 時に羸都鏡・辺都鏡を以て、国璽尊霊(くにのしるしのみことのみたま)と為して、日神・月神の自ら天宮に送て、六合(あめのした) ...

2019/9/29

『天地麗気記』解説4 大日孁貴 天照皇大神 尸棄大梵天王 光明大梵天王 月読尊(ツキヨミ) 伊勢神宮

はじめての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 『天地麗気記』解説3のつづき 【書き下し文】側(ほのか)に聞く、本在より以降、二界遍照の如来は幽契為(みとのまくはいし)て所産(あれま)す、一女三男あり。 一女は天照皇大神、地神の始の玉(みたま)の霊(みたま)、霊鏡大日孁貴(おおひるめのむち)は、端厳美麗に坐す。 【現代語訳】また聞くところによると、その後、金胎の大日如来である伊弉諾・伊弉冉の二神が交合をして一女三男を産んだ。 一女とは天照皇大神であり、地神の始めの玉霊であり、霊鏡・大日孁貴は、端厳美麗でおら ...

2019/9/27

『天地麗気記』解説3 国常立尊(クニトコタチ) 国狭槌尊(クニサツチ)  豊斟淳尊(トヨクムヌ) 大日如来

はじめての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 『天地麗気記』解説2のつづき 【書き下し文】国狭槌尊〈毘盧遮那仏〉 豊斟淳尊〈盧遮那仏〉 此の二神(ふたはしらのみこと)、天に浮(のほ)り地(くに)に跡(くた)りて、報応の二身、青黒二色の宝珠也。 青色は衆生果報の宝珠、黒色は無明調伏の宝珠なり。 三神神(みはしらのかみいま)す葉木国(はこくに)漂蕩(たたよ)えり。 状貌(かたち)、鶏子(とりのこ)の如し。 【現代語訳】国狭槌尊(クニサツチ)〈毘盧遮那仏〉 豊斟淳尊(トヨクムヌ)〈盧舎那仏〉 この二神は天上に上 ...

2019/10/7

『天地麗気記』解説2 国常立尊(クニトコタチ)=大毘盧遮那仏(大日如来)

初めての方は『天地麗気記』解説1からどうぞ 【書き下し文】神財の戦具は、十種の玉神鏡神本霊(みたまのみたまのみたまのみことのもとのみたま)、本(はし)めて覚れば、天国(あまくに)の璽(しるし)・地神の印、百宝千宝は百大僧祗劫の劫数にして無量無数劫も変らず常住にして、三種の神物は我が五世の時に余れる置(ことな)し。 是も以て尊重(みこととおも)く為して、相並びて崇敬(あかめうやま)い奉るべき本の御霊(みたま)は金色の如意宝珠、浄菩提心の宝珠と為る。 是、国常立尊(くにとこたちのみこと)の心神(みたまのみたま ...

2019/9/19

『天地麗気記』解説1 神代七代 過去七仏 地神五代 賢劫十六尊 天照大神 大日如来

題名 【書き下し文】 天地麗気記(かみつかたしもつかたうるはしきいきとうりをきす) この巻の題名です。近世の版本などでは、本巻を巻首に置いているので、『天地麗気記』を麗気記全体の総題とすることもあります。 神代七代・過去七仏・北斗七星 【書き下し文】天神七葉は、過去の七仏転じて天の七星と呈(あら)はる。 【現代語訳】天神七代は過去七仏であり、転じて天体の北斗七星として現れた。 “天神七代(かみつかたかけりましますななは)”とは、神代七代(かみのよななよ)と称されます。 『日本書紀』では、最初に為った以下の ...

2019/9/9

『麗気記』の著者について ※2019.9.9更新

『麗気記』は神仏習合の代表的な論書です。 『麗気記』は「れいきき」、あるいは「まことをおほしめさるるき」とも読みます。 著者には諸説あり、聖徳太子説、役行者説、弘法大師・空海説、伝教大師・最澄説、醍醐天皇説があります。 弘法大師・空海説 十八巻からなりますが、巻末の「豊受大神宮継文」は本来『麗気記』とは無関係で江戸時代に添加されました。 この「豊受大神宮継文」に「沙門空海撰」とあったため、『麗気記』全体が弘法大師作と一般に伝えられたようです。 寛文十二年(1672)刊の版本にも「沙門空海撰」とされてます。 ...

2019/7/31

『二所大神宮麗気記』 読み下し文・現代語訳・解説 まとめ

「二所大神宮麗気記」は『麗気記』十八巻の冒頭です。 神変大菩薩(役小角)の説 【読み下し文】二所大神宮麗気記 蓋し以れば、去んじ白鳳年中に、金剛宝山に攀上りて、宝喜蔵王如来の三世常恒の説を聞けば   【現代語訳】二所大神宮麗気記 さて思いめぐらすに、去る白鳳年中に金剛宝山によじ登り、宝喜蔵王如来の三世常恒の説を聞いた 役小角(えんのおづの・634-701)は修験道の曩祖(のうそ)であり、役行者(えんのぎょうじゃ)、役優婆塞(えんのうばそく)とも呼ばれ、諡号は神変大菩薩(じんぺんだいぼさつ)です。 ...

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